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情報:インテリジェンスとインフォメーション

時間ないから適当です。

 前からこのテーマ書こうと思ってたけど、最近時間なくてかけてなかった。

 「戦略的インテリジェンス入門」(上田篤盛,2016)の始めだけまとめる。

 

言語は区別のシステム

 日本語で「情報」というと、英語で言う「intelligence」と「information」の二つの意味である。日本人は「情報」に関してこの二つを区別していない。

 孫引きになるけど、広辞苑(1998)における「情報」は次の意味らしい。

①あることがらについての知らせ、②判断を下したり行動を起こしたりするために必要な種々の媒体を介しての知識

 ①が「information」で、②が「intelligence」である。

 言葉で区別されないというのは日本語を使う日本人にとっては①と②が混同されているということである。しかしこれらを明確に区別しておかないと、意思決定が非効率的になってしまう。

総理大臣が情報を分析するだろうか?

 たとえば、対中政策を決めるにあたって中国の「情報」が欲しいと言って、たぶん内閣官房内閣情調査室とか外務省国際情報統括官組織とか法務省公安調査庁防衛省情報本部なんかに命令すると思う(一応日本は多くの情報組織を持っている。現在の岸田首相の外交音痴を見ていると適切に機能はしていなさそうだけど)。

 ではここで命令した組織から「information」が送られてきたらどうだろう?「information」は良く言われるような一次情報のことである。中国のGDPや人口はいくらでと言った情報である。受け取った側が思うのは「ほう、なるほどそうなのか」である。

 「information」を受け取ってしまった首相はこの一次情報から決断しなくてはならないが、専門的な情報分析訓練を受けてないのにできるわけがないよね。やっても、でたらめな行動の根拠になるだけである。したがって、渡されてもで、となる。首相が必要とするのは意思決定に必要とされる情報「intelligence」である。

 たとえば、「最近、中国は南、東シナ海あたりで海軍の活動が活発である。台湾での軍事行動の可能性が高い。アメリカとの関係性など我が国を取り巻く環境を考慮したうえで以下の選択肢が考えられる。1・・・・・・」とかがいい例だろう。

 基本的には「intelligence」は生の情報「information」を処理して、「意思決定者を取り巻く環境」を整理して、その立場で「information」を解釈し、選択肢などを示す。ここまで来て「intelligence」となる。「information」は「最近、中国は南、東シナ海あたりで海軍の活動が活発である。」、「アメリカとの関係性」などを考慮に入れたうえで、「日本が取りうる行動の選択肢」を示すのである。

 そして意思決定者である内閣総理大臣はいくつかある「intelligence」の中から吟味して一つ、または複数の選択肢を実行するのである。

まとめ

 日本の指導者はしばしば「intelligence」ではなく「information」をもとめがちである。部下の職責を信用できないが為に、自分で一次情報に触れて分析したくなるからだろうか(菅直人元首相なんかがいい例かもしれない。原発事故のときなまじ詳しいが為に一次情報をみづから手に入れて、意思決定をしようとしてしまった。高頻度での福島第一原発訪問はそのためかも。あくまで推測です)?

 しかしそれでは何のために専門性を持った部下に情報を収集させるのだろうか?複数の信頼できる優秀な部下に「intelligence」を提供させて、その中から意思決定者がよいと思うものを選んだ方が効率がよいと思う。その信頼できる部下というものがいないのかもしれないが。

 言いたかったのは、意思決定者は自分が受け取った「情報」が「information」なのか「intelligence」なのかを明確に理解して、使い方が違うということをわかっていなければならないとうこと。そうじゃないと視野の狭い稚拙な判断をしたりしてしまう。

 で、この意思決定者というのは別にお偉いさんだけじゃなくて自分たち一般市民もである。選挙とか、自分の言説とか決めることは意思決定で多くの場合ニュースが情報源になる。しかしニュースでは「intelligence」と「information」は混同される。それが、テレビ局や新聞社独自の意見なのか、はたまた事実なのかを見抜かなければ、馬鹿な選択をしてしまうかもしれない。

 皆も「intelligence」と「information」を使い分けてかっこつけよう!