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「卒論・修論研究の攻略本」のすすめ

卒論・修論研究の攻略本を読み終わったので書評を書く。

一言でまとめるなら、まさしく卒論や修論のやり方を書いた「攻略本」である。

(タイトル言っただけw)

 

知的労働、いわゆるコンサルなんかに興味を持ったときに大体おすすめされる書籍が二つある。一つは「イシューから始めよ」、もう一つが「仮説思考」である。自分もどちらも読んだが、まあ言ってることは「仮説検証」を行えということである。

まずざっと対象を俯瞰して、それを元に「○○は△△ではないか」といった仮説を立てる。次にこの仮説を検証するために必要なデータは何であろうかと考えて、リスト化し、実際に生データを集める。最後に集めた生データを仮説を検証できる形で可視化して、仮説が肯定されるのか、否定されるのか、否定されるとするならどこがダメなのかを考える。

コンサルタントは上のような仮説検証サイクルを素早く、正確に実行することが求められる。これは科学研究にも同様に必要なことであると考えて、それら本を読んで勉強してみたがいまいちしっくりとこなかった。それが「攻略本」を読んだらしっくりときた。

当り前であるが、研究において「仮説検証」はほんの一部分でしかないということである。ただ、何もわからず研究の世界に漕ぎ出した初心者にとってこの当たり前が分からない。もちろん、卒業研究で最初に決めるのは「研究テーマ」を決めることである。先生からの指導で、大体2週間でできそうなことと言われたが何を決めればよいのかが分からなかった。

この本には「研究テーマ」を決めることとは何かを詳しく書かれている。「研究テーマ」を決めるとは研究対象の現状を把握して、理想を決めて、課題を明らかにして、問題を解決するという一連の研究プロセスを具体的かつ論理的に決めることを指す。

ずっと手探りで、あやふやなまま進めてきたので卒論もあやふやなまま終わったので、修論ではそれらをはっきりと決めて研究しなければならないなと思えた。

あとは紙幅は少なかったが、研究の進捗・スケジュール管理に関して具体的なアイデアがもらえたのは良かったと思う。進捗管理は難しい、毎日やろうと思っても課題ややらないといけない勉強、私生活が邪魔をしてくる。そういう中でどういうふうに最終的なデットラインに間に合わせるのか。細かく自分で、いついつまでにこれをすると順序だてて決めていくしかない。自分が決めた時間制限の達成度合いで、このままでも間に合うのか間に合わないのかを考える。あまり、スケジュール管理について考えていなかったので役に立ちそうと思った。

あとは「仮説検証」の研究の中での役割とか教員とか先輩に手伝ってもらうための報連相の仕方とか、結論と考察の違いとそれらの書き方なんかを学べる。

これ一冊で研究のすべてがわかるとはいかないだろうけど、入り口に立って右往左往するなんてことはなくなると思う。